利益準備金の取り崩し・積立の流れ

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◆利益準備金の取り崩し・積立額の解説

◆利益準備金とは?

 利益準備金とは、会社の業績に波が生じることを想定し、原則として業績が悪化した場合であっても企業が柔軟な対応を可能とする目的において会社法で積み立てることが義務づけられている法定準備金のひとつです。

 株式会社は資本を募り資本金として経理計上した上で営利活動を行う法人組織であり、会社債権者にとっては営業活動や投資活動によって得られた会社財産を信用対価として融資等の金融取引を行うことになります。

 その為、利益準備金は会社の業績悪化を見越し、企業の将来的な信用の確保とともに決算時の剰余金の過剰な株主配当などによる会社財産の不当な流出を防止し債権者を保護する役割を担う法的な規定であると言えます。

◆利益準備金の積立額

 利益準備金として積み立てることが義務付けられている積立額は、資本の額の4分の1に達するまでと会社法で定められております。

 尚、会社法による積立は利益準備金と資本準備金の合計が資本の4分の1に達するまでを上限額とする事が定められており、上限額を超過した積立金は法定準備金としての扱いから「任意準備金」としての扱いへと変わることを把握しておく必要があります。

◆配当における利益準備金の積立

 決算後の剰余金の配当を行う場合、企業側は配当を行う総額の10分の1を資本準備金、もしくは利益準備金にて積立を行う事が義務付けられております。

 尚、この規程は会社法の資本金の額及び準備金の額の項、第445条.4にある「株式会社が剰余金の配当を行う場合は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を資本準備金又は、利益準備金として計上しなければならない」という規定によって定められております。

 ですから解りやすい事例で言えば仮に総額100万円の配当を行う事を想定している場合は、100万円の10分の1に当たる10万円を利益純金として仕分け計上する必要がある為、実質的には100万円の配当を行う場合、最低でも110万円の剰余金が必要となることがわかります

◆利益準備金の取り崩し

 利益準備金、資本準備金を含む準備金の取り崩しを行うには、株主総会の普通決議によって取り崩しによる振り替えを行うかどうかを決定します。

 但し、準備金の取り崩しを行うには公示している資本額を資産が下回っている場合であり、剰余金で損失を補填出来る場合は取り崩しができません。